該当しそうな、免除制度を確認しよう
前回、長い人生、色々あって国民年金保険料が払えない時、諸条件に当てはまったら、支払い金額を減らしてもらえる…
前回のコラムで、「免除」という制度が大きく分けて5つあります。
とお伝えしました。

それが…、
- 法定免除
- 全額免除
- 一部免除(3/4、半額、1/4)
- 学生等の保険料納付特例
- 納付猶予
です。
そしてもう一つ
これらの保険料免除と趣旨や性格が異なるもので、
「産前産後期間の保険料の免除」というものがあります。
前回は、
「学生等の保険料納付特例」 について、お話ししてきました。
今回は、他の4つについて、簡単に説明していきます。

まず、❶法定免除 です。
これは法律上、該当する方に適用されます。
- 障害年金1,2級の受給権者等
- 生活保護法による生活扶助等を受ける時
- 厚生労働省令で定める施設に入所している時
ざっくり、こんな人が該当するんだな~、とみていただければ、と思います。
法定免除については、「学生等の保険料納付特例」とは異なり、
基本1ヶ月で、1/2ヶ月分収めたものとして、老齢基礎年金は計算されます。
例えば
20歳から60歳に達するまで、40年間法定免除だったとすると…
(令和7年度)満額で831,696円となるので、
半額の年額415,848円もらえる計算となります。
❺納付猶予 についてです。
これは、時限付のもので、令和12年6月まで、本人と配偶者の収入が問われます。
これは、「学生等の保険料納付特例」と同じ扱いのため、老齢基礎年金の受給資格期間(10年必要)には算入されますが、年金額の計算には入りません。
世帯収入要件の概要は、最後に記載しますので、参考にしてください。
❷全額免除と、❸一部免除(3/4、半額、1/4)についてです。
これらは、保険料を申請して、承認されたら、毎月の保険料を、割引してくれる制度です。
例えば、令和7年度、17,510円を払うところ、
全額免除なら、 もちろん0円
半額免除なら、 8,760円
3/4免除なら、 4,380円
1/4免除なら、 13,130円
を、払えばOKです。
しかし、年金としてもらえる金額も割引されてしまいます。
なので、老齢基礎年金額の計算は、 「 半分+払った分」と考えてください。
なぜ半分?
そう、厚生年金と同じように、国民年金も、半分は国で負担してくれています。
なので、全額免除で保険料を払わなくても、半分の額の年金がもらえます。
ちなみに、申請免除の所得基準や誰の収入が問われるか?については、
最後に記載しますので、参考にしてください。
あと1つ、
最初にこれらの保険料免除と趣旨や性格が異なるもので、
「産前産後期間の保険料の免除」というものがある。とお伝えしました。
厚生年金や、健康保険は以前より、産前産後や、育児休業中は保険料免除制度がありました。
しかし、国民年金については、平成31年4月からこの制度が始まり、
これにより国民年金保険料が月々100円程度引き上げられました。
基本、出産予定日または出産日の前月から4ヶ月間(多胎妊娠は6ヶ月間)保険料が全額免除されます。
ただ、他の免除と異なるのは、この期間は、納付済(全額払った)期間となるため、
受給資格期間にも、年金額計算にも、算入されます。(ラッキー)

学生等の保険料納付特例と納付猶予を除いては、(この2つは国の負担がありません)
平成21年4月から、国が半分保険料の負担することになりました。(その前は、1/3でした)
毎年、保険料も基礎年金額も変わりますが、ざっくり計算すると…
毎月の保険料 17,510円(令和7年度)×12月×40年間=8,404,800円 を収めて…
8,404,800円÷831,696円(令和7年度 老齢基礎年金満額)=10.1(年)
65歳からもらい始めて、約10年(75歳)で収めた分を回収する計算になります。
2023年 日本の平均寿命は
男性 81.9歳
女性 87.14歳
とのことです。
ある、フィットネスクラブには、100歳を超える方が、多数通われています。(びっくり!!)
寿命は自分では決められませんが、少しでも健康で長生きできれば、かなりお得な制度と言えそうです。
おわりに
先月、雪が降ったのに、今月は全国で、真夏日とか…
日本は、ほんとうに四季がなくなってしまいそうですね。
とはいえ、活動しやすい時期です。

「フレイル」 (健康と要介護の間の段階)にならないように、ウォーキング(ほぼ散歩?!)でもして、
かなり「難しい」とはおもいますが、100歳(欲張らずに80歳)で
フィットネスクラブに通いながら、温泉に行くのを目標にしたいと思います。
それでは
【参考1】 〈所得基準〉(細部は、窓口等で確認してください。)
扶養親族等がない時 | 扶養親族等がある時 | ||
1 | 申請全額免除 | 67万円 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
2 | 4分の3免除 | 88万円 | 88万円+(扶養親族等の数×38万円) |
3 | 半額免除 | 128万円 | 128万円+(扶養親族等の数×38万円) |
4 | 4分の1免除 | 168万円 | 168万円+(扶養親族等の数×38万円) |
納付猶予は1、 学生納付特例は3を基準
【参考2】 誰の収入が問われる?
申請全額・一部免除 | 学生納付特例 | 納付猶予 | |
本人 | 問われる ◯ | 問われる ◯ | 問われる ◯ |
世帯主 | 問われる ◯ | 問われない ✘ | 問われない ✘ |
配偶者 | 問われる ◯ | 問われない ✘ | 問われる ◯ |